2024年10月の代表メッセージ

10月の代表メッセージ

☆2024年10月24日☆
[いじめから子供を守ろう メールマガジン]

◇ 代表メッセージ ◇
■□ 学校は、明確に「善悪」を生徒に示すべき □■

10月も後半に入りました。
ようやく、遅れていた秋がやってきたようにも感じます。
文化祭や発表会などなど、学校での行事も盛りだくさんのことだと思います。

さて、MBC南日本放送のいじめ事件の記事がYahooに転載されておりました。
鹿児島県の私立中学校の寮での事件です。
今年6月下旬、入浴中の中1の男子が寮の風呂場で、、
同級生に両足首を引っ張り上げられ、後頭部や首を打ちつけ、
さらに、別の同級生に肩を叩かれたりなどのいじめを受け、
被害生徒は、右手にまひが残り現在も通院を続けていると報じられています。
記事では、被害生徒の父親が記者会見をした模様を伝えています。

以下に引用してみます。
—–
(被害生徒の父親)「夜、苦しんで眠れない息子を見て、
これを単なる嫌がらせで終わらせて本当に良いのか。
やってはいけないことだと言わないと、誰も気付いてくれない」
学校側は当初、「生徒間の人間関係は良好で悪意はなく、いじめにはあたらない」とし、
父親によりますと、
学校側は相手の生徒に対し、半日の出席停止や口頭で注意などを行ったということです。
しかし、その後、保護者からのいじめ防止法に基づく「重大事態」の申し立てを受け、
今月3日に認定し、県に報告しました。
こうした学校の対応を受けて、父親は相手生徒への適切な処分と、いじめに関する調査を求めています。
(被害生徒の父親)「(学校は)軽い処分ではなく正当な処分だという。
加害生徒は痛めつけようとしていないという結論を導かれたのは、
社会通念や社会規範からして通用しない」
——–

被害者の父親の訴えていることは、まともな主張だと思います。
確かに、学校の言うところの「いじめには当たらない」のはそうかもしれません。
犯罪なのですから。
悪意はなく、たとえ遊びのつもりであっても、その結果は、明確な「犯罪」です。
14歳以上であれば、罪に問われる事案だと言えます。
学校は「これはいじめどころではありません。犯罪です」と加害者を指導すべきなのです。
右手にまひが残る程のケガを負わせて
「半日の出席停止」や「口頭注意」が、「正当な処分」だとは言えないでしょう。
世の中的には「傷害」です。

私たちは「いじめは犯罪!絶対にゆるさない!」というポスターを全国の学校に
掲示していただいております。
言葉が強すぎるというご意見もあろうかと思いますが、
被害者の人格を壊し、精神を傷つける行為を
「遊びだから」と簡単に終わらせてはなりません。
子どもたちに反省を迫り、二度とこのようなことをしないということを誓ってもらうことが、
加害者の子たちの将来を守ることになるのです。

あるお母さんからこんな電話をいただきました。
「先日、家の近くの道で、うちの子の同級生と出会ったんですよ。
その時、その子が挨拶してくれて
『学校の時におばちゃんに、いじめていることを叱られて。
あの時は、いやな気持ちになったけど、あれで、助けられたって思ってるよ。
おばちゃんのおかげで、まともな人間になったよ。
叱ってくれてありがとうございました。』
って言ってくれたんですよ。
大人が悪いことは悪いって言ってあげることってとても大事なんですよね。」

私たちのところに来る相談を見ていると、私立の学校のいじめへの対応は
両極端に別れるように感じます。
一方はゼロ・トレランス型の「いかなる理由があってもいじめは許さない」という姿勢の学校であり、
もう一方は「外部に漏れることがないように徹底的に隠蔽しよう」と考える学校です。
今回の学校は、今後について、第三者委員会を設置し、再調査を行うとしていますが、
被害家族に伝えた姿勢には
「事を穏便済ませたい。被害者に我慢してもらおう」とする姿勢が見え隠れしているようです。
子どもたちの世界に「大人の論理」を潜り込ませてはならないと思います。
子どもたちの年齢だからこそ
「悪いものは悪い。正しいことは正しい」という善悪を明確にし、
毅然とした姿勢を学校は持たなくてはならないと思うのです。

秋の季節、子どもたちが良い思い出をたくさんつくる季節にしてあげたいと思います。
何か、気になることがございましたらご遠慮なく、ご相談ください。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

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